サバイバル思考術

認知症による徘徊の対策は、家庭だけでなく、いまや社会の課題

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徘徊対策は、いまは、家庭だけでなく、地方自治体や国が積極的に対策を打たないと、対応コストが増大する。

高知新聞に記事がありましたのでシェアさせていただきます。

認知症による徘徊(はいかい)の対策は、家庭だけでなく、いまや社会の課題というべきだろう。
2014年に警察に届け出があった行方不明者のうち、認知症が原因の人は本県の52人を含め1万783人だったことが、警察庁のまとめで分かった。前年より461人多く、1万人を超えるのは2年連続となる。
全行方不明者数自体は減少傾向にあり、04年には約9万6千人いたが、14年は約8万1千人だった。相対的に認知症の割合は高まっていることを重く受け止めたい。
また、昨年の認知症行方不明者のうち、429人は死亡した状態で見つかった。行方不明になることを防ぐとともに、早期発見が重要になる。
昨年8月、高知大学医学部の研究グループが発表した、徘徊中に死亡し、同大で法医解剖を行った認知症高齢者に関する調査結果もそれを示している。約7割の人が生活拠点から500メートル以内で亡くなり、死因は転落などによる溺死が多かったという。
政府は13年から「認知症施策推進5カ年計画」をスタートさせ、施設中心から在宅ケアの充実に政策転換を図っている。
認知症の症状にも軽重さまざまあり、家族とともに過ごすことを望む人は少なくない。しかし、家族だけで見守るのは限界がある。
在宅ケアを進めた結果、行方不明者が増えたということがあってはならない。社会でどのようなサポート体制を構築するかが問われている。
現在、全国各地で自治体や警察、交通機関、商店、住民などが連携した見守りシステムや、患者や家族を手助けする「認知症サポーター」の増員などが進んでいる。一層のてこ入れや住民参加が必要だろう。
一方で、衛星利用測位システム(GPS)端末やバーコード入りシールを徘徊傾向のある人に身に着けてもらい、発見や身元確認に結び付ける取り組みも広がりつつある。プライバシーや個人の尊厳に十分配慮し、効果的に活用したい。
政府は、12年時点で約462万人とみられた認知症高齢者が25年には約700万人に達すると推計する。高齢化が進むということは認知症も増えることを意味する。高齢化社会の制度の一つとして、仕組みや意識づくりを急がなければならない。

高知新聞
自由は土佐の山間より。1904年創刊、高知のニュースを伝え続けていきます。

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